2015/12/11
『あまからカルテット』柚木麻子
柚木麻子さんのあまからカルテット。
柚木麻子さんといえば、
おいしい描写と女子ワールドをリアルに描いた本が
多数ある。
その中でもあまからカルテットは、特別に好きだ。
女子中学校からの仲良しアラサー四人組の物語。
ピアノ講師の咲子、編集者の薫子、
美容部員の満里子、料理研究家として活躍中由香子。
職業も、キャラも、すべてがバラバラの4人組が主人公だ。
大学や就職してからの友達は割と
どこか似たり寄ったりの女友達が多かったりする。
それでも、中学の頃の友達って、
大人になると環境も違うせいか、
キャラもバラバラなことも多い。
それでもかけがえのない青春時代ともいうのだろうか、
純粋に楽しかったころの思い出を共有している
女友達との絆は深いものである。
現にこの4人は、
環境も、キャラも、それこそ好みも何もかも違うけれども、
それでも、お互いのピンチには駆けつける。
稲荷寿司を頼りに咲子の好きな相手を見つけたり、
甘食を頼りに由香子の小さいころの思い出にたどり着いたり、
ハイボールを手掛かりに満里子の恋人の浮気疑惑を解決したり、
ラー油を手掛かりに薫子の新婚生活をサポートしたりする。
最後には、豪快なおせちが登場するのもうれしい。
マメに連絡など取り合わなくたって、
いつどこにだって相手のために飛んでいける、
それが真の女友達だ。
幸いにも、私も友達には恵まれているほうで、
そういう友達が何人かいる。
今となっては、見知らむ土地で専業主婦なので、
相変わらずお隣さんと話すことがあるくらいで、
友達と言える人はいない孤独な生活を送っている。
だからこそ、女友達の大切さが身に染みたのかもしれない。
読み終えた後の爽快感は格別です。
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